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リカバリーカレッジ千葉 開設へ向けて

​千葉県内の当事者運動を

みんなで育んでいく仕組みをどのように創り続けていくか

  「私のことは私が決める」「私たちのことを私たち抜きで決めないで(Nothing about us without us!)」​ 

当事者主権が叫ばれて久しい時が過ぎ去っていますが、千葉県には、誰が、どこで、どのような当事者活動をしているのかを知るための資料がありません。そこで私たちは、全国各地の優れた当事者活動を仰ぎ見、遥か遠くより後塵を拝しながら、彼等の辿ってきた困難な営為を1つずつ学ばせてもらいたいと願いました。当事者性を色濃く帯びた人々と、彼等に深い思いを寄せるおおらかで温かな人々とで、そこで共に育っていくことができるおおらかな仕組みリカバリーの旅路をみんなで支えていくあらたな仕組みづくりを一から始めようと思い立ったのでした。リカバリーカレッジ千葉(コミュニティーカレッジ千葉)という枠組みのなかで、まずはこのような想いを千葉市内の一角でささやかな<形>にしくてことはできないものかと考えたのです。

 

 千葉県に於ける​精神関連の医療機関、福祉事業所、行政機関、家族会、兄弟姉妹の会等々に関する情報は定期的に更新されていますのですぐに検索することができますが、県内の当事者会・当事者運動に関しましては、地域の福祉事業所などに1つ1つ個別に問い合わせ、活動の現場を探し求めて彼等の営みを見学させていただくしか方途がありません。誰が、どこで、どのような当事者活動をしているのかを知るための情報が今に至るまでまとめられていないということは、残念なことではありますが当事者活動や当事者運動がこれまで等閑視され続けてきた証左でもあるのです。これまでは福祉事業所等での収益的な営為に多くの関心が向き、当事者活動を育てようとする非収益的な営為に対する視座や努力が足りなかったことを、あらためて省みることとなりました。私たちは非力を百も承知の上で、あらためてこの課題に取り組もうと思っています。

​ 当事者性を色濃く帯びざるを得なかった人々は、精神疾患に罹患したが故に学校や職場や地域社会から排除されて周辺に追いやられ、家族からも遠ざけられ・・・、そこでは専ら治療の対象とされ、彼等は多くのことを諦めさせられてきました。リカバリーカレッジ千葉では、社会の周辺に追いやられてしまった彼等自身が、<治療の対象>ではなく<権利の主体>であることを、共同創造によるリカバリーカレッジという<学びの仕組み>を通じてもう一度自覚できる場をみんなで創ろうとしています。

 リカバリーカレッジは治療の場でもなければ福祉の支援を受ける場でもありません。生涯学習の理念に基づくリカバリーカレッジでは参加資格を問われることもなく、誰もが運営に加わり、講座のカリキュラムづくりにも参加して、自らのリカバリーに必要なことを学ぶことができます。ここではこの場で出会えた他の人のリカバリーの旅路も聴くことができ、自らのリカバリーの道行きをも語り、それを聴いてもらえ、さらにみんなで語り合うことのなかから、そのなかから、独りではなく仲間と共にあることを知り、誰もが抱え込んで苦しんできた周辺性の意識/絶望感/依頼心/劣等感/諦観/宿命などにあらためて向き合い、そこからあらたな生へ向けた一歩を踏み出していくことになります。 

 

 「起きてくるさまざまな生きづらさや困難を解消する知恵と力は、当事者自身の経験のなかにある。」ということを、自らの生を見据えていくなかから自ら気づき、それを顕(あら)わにしていくには、まずは「語り」や「語ること」に加えて「聴き合うこと」も必要となってきます。私たちはこれまでに「語ること」や「聴くこと」を、自らのリカバリー(恢復・回復)に結び付けて真剣に学ぼうとしたことがあったでしょうか。そのような機会に接することがあったでしょうか。薬だけに頼らざるを得なかったこれまでの在りようを、薬だけに頼らざるを得ないと思い込んできたこれまでの自分たちの在りようや社会的な環境を、別のもう1つの視座から、「語り」の視座から、「語る」⇔「聴く」の視座から、互いに語り合い、聴き合う視座から、もう一度見直していくことができる場を、これまでは身近になかったそのようなあらたな学びの場を、リカバリーカレッジ千葉の共同創造の営みを通してみんなで創ろうと手探りで模索しています。

 回を重ねてきたリカバリーカレッジ千葉開設準備会の場では、様々な講座が提案されてきましたが、その1つに継続的な「読書会」がありました。数多の書籍のなかから、最初は以下の2つを取り上げたいと思っています。

     ①『レッツ! 当事者研究1~3』ベてる しあわせ研究所 向谷地生良(2009年  NPO法人コンボ)

     ②『当事者主権上野千鶴子(2003年 岩波新書)

①からは、

 「起きてくるさまざまな生きづらさや困難を解消する知恵と力は、当事者自身の経験のなかにある。

②からは、

 「当事者は変わる。当事者が変われば、周囲が変わる。家族や地域が変わる。変えられる。地域が変われば、地域と当事者との関係 

  が変わる。当事者運動は、自分たちだけでなく、社会を変える力を持っている。」

 このように、私たちの身に深く沁み透るような深いメッセージが発せられており、これらは私たちのこころの奥深くでいつまでも響きわたっていきます。これらのメッセージを受け止め、これらに導かれて新たに生き直された地平を歩もうとした時には、自らに必要な学びの機会に誰もが参与することができる開かれた場が必要です。リカバリーカレッジ千葉のささやかな営為のなかで、このような場をみんなで創り続けていきたいとこころから希っています。当事者性を深く帯びざるを得なかった人や、地域住民や、広く市民のためにも開かれたリカバリーカレッジの在りよう(コミュニティーカレッジ)をみんなで一緒に探し求めて参りますので、リカバリーカレッジが掲げている<共同創造>にご賛同いただける方々のご参加を、こころからお待ちしています。

 

 

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